物理学

科学

コンパスはなぜ北を向くのか——磁極ではなく磁力線をたどる針と、ずれ続ける北

方位磁針は北極を指している——そう思っている人は多いはずです。実際には針は磁北極を目がけているのではなく、その場所の磁力線に沿って向きを決めています。地図の北とのずれ、加速しながら動く磁極、そして1088年の中国から始まった針の歴史をたどります。
科学

なぜ海は青いのか——水が飲み込む赤と、残された青

海が青いのは空を映しているから——そう習った人は多いはずです。ところが海の青の主役は、反射ではなく水そのもの。水は赤い光を吸い込み、青だけを通します。純水がわずかに青い理由から、深さで色が変わるわけ、プランクトンが海を緑に染めるしくみ、そして衛星が海の色から中身を読む話まで、青の出どころをたどります。
技術

電池はなぜ「切れる」のか——反応が終わるとき、電圧は落ちる

使い切った電池は、なぜもう使えないのか。電池は化学反応で電気を生む装置で、反応が進むほど電圧はじわじわ落ちていきます。乾電池が切れる仕組み、使わなくても減る自己放電、充電池がへたる理由まで、起電力と化学反応の関係から「電池の寿命」をたどります。
技術

冷蔵庫はなぜ冷えるのか——「冷やす」のではなく、熱を運び出す

冷蔵庫は「冷たさ」を作っているのではありません。庫内の熱を冷媒に載せて、外へ運び出しているだけです。打ち水と同じ気化熱を使い、圧縮・凝縮・膨張・蒸発をぐるぐる繰り返す——だから背中は温かく、扉を開けっぱなしにしても部屋は冷えません。冷凍サイクルの原理と、冷媒がたどってきた意外な歴史をたどります。
科学

なぜ飛行機雲はできるのか——氷の雲が残るか消えるかを決めるもの

青空に1本、まっすぐ引かれる飛行機雲。煙のように見えて、その正体は氷の粒でできた雲です。エンジンの排気に含まれる水蒸気が、上空の極寒の空気で凍りつく——ここまでは同じでも、すぐ消える雲と、空いっぱいに広がって残る雲に分かれます。その分かれ目を決めているのは飛行機ではなく、空のほうでした。飛行機雲のでき方と、そこから天気まで読める理由をたどります。
科学

なぜ建物は地震で倒れるのか——共振・液状化・層崩壊のしくみ

同じ地震でも、倒れる建物と、すぐ隣で平気な顔で立っている建物があります。違いは単純な「丈夫さ」ではありません。揺れと建物の周期が一致して増幅される共振、足元の地盤が液体のようになる液状化、力が一つの階に集まって潰れる層崩壊。建物が倒れる三つのしくみを、阪神・淡路大震災の教訓とともにたどります。
科学

なぜ鉄は錆びるのか——表面でひそかに働く小さな電池

鉄の錆は外から付いた汚れではなく、鉄そのものが電子を手放して酸化鉄に変わった姿です。アノードとカソードに分かれた小さな電池が表面で働く電気化学反応として、赤錆と黒錆の違い、トタンやブリキ、船やパイプラインの犠牲防食、そして鉄が鉱石(酸化鉄)へ戻っていく過程までをたどります。
科学

夕焼けはなぜ赤いのか——青空をつくる散乱が、赤い夕空も生むわけ

夕焼けの赤と、昼の青空。正反対に見える二つの色は、じつはまったく同じ「レイリー散乱」という一つの現象から生まれます。違うのは、光が大気を通る距離だけ。なぜ青い光がよく散らばるのか、なぜ空は紫でなく青いのか、そして火星の夕焼けがなぜ青いのかまで、空の色の仕組みをたどります。
技術

半導体はなぜ「半」導体なのか——導体と絶縁体の「あいだ」が世界を動かす

半導体の「半」は、電気を半分しか通さないという意味ではありません。電気をよく通す導体と、ほとんど通さない絶縁体の「あいだ」にいる、という位置の話です。そのどっちつかずの性質こそが、スイッチにも増幅器にもなる。バンドギャップ、ドーピング、そしてなぜシリコンばかりが使われるのかをたどります。
技術

ダムはどうやって水を「ためる」のか——力をどこへ逃がすかで、形が決まる

ダムは水を「せき止める壁」ではありません。深いところで何トンもの力で押してくる水を、自分の重さ・両岸の岩・広い底のどこへ逃がすか——その答えの違いが、重力式・アーチ式・ロックフィルという形になります。黒部ダムが186メートルを守った経緯まで、ダムの力学をたどります。