世界史

科学

コンパスはなぜ北を向くのか——磁極ではなく磁力線をたどる針と、ずれ続ける北

方位磁針は北極を指している——そう思っている人は多いはずです。実際には針は磁北極を目がけているのではなく、その場所の磁力線に沿って向きを決めています。地図の北とのずれ、加速しながら動く磁極、そして1088年の中国から始まった針の歴史をたどります。
言葉

アルファベットはどこから来たのか——牛の頭からはじまった26文字

いま使うA〜Zの26文字は、たった一つの発明にさかのぼれます。エジプトの絵文字を借りて子音記号を作った古代セム人、母音を足したギリシア人、字を並べ替えたローマ人。Aがもともと牛の頭だった話から、&が「27番目の文字」だった話まで、アルファベット3000年余りの旅をたどります。
歴史

オリンピックはなぜ4年ごとなのか——古代ギリシャの暦が決めた周期を、近代がなぞった

オリンピックが4年に1度なのは、テレビ放送の都合でも競技の準備期間でもありません。答えは2800年ほど前のギリシャにさかのぼり、月の暦と太陽の暦のつじつま合わせから生まれた周期でした。しかもその4年は「オリンピアード」という時計として、歴史を数える単位にもなりました。古代の暦のリズムを、近代があえてなぞった経緯をたどります。
歴史

万里の長城はなぜ作られたのか——「壁」の効果と限界をめぐる2000年

北の遊牧民をはね返すための一枚の巨大な壁——万里の長城には、そんな像がつきまといます。けれど実際には、2000年をかけて幾つもの王朝が継ぎ足した壁の集まりで、防御だけでなく交易や人の出入りを管理する装置でもありました。効いたのか、効かなかったのか。最後にこの壁を越えさせたのは誰だったのか。壁をめぐる長い歴史をたどります。
歴史

コーヒーはなぜ世界飲料になったのか——伝播・禁止・近代化の軌跡

コーヒーは広まるそばから何度も禁じられました。メッカでは異端の飲み物として弾圧され、ヨーロッパでは「悪魔の飲み物」と疑われ、ロンドンでは国王が店を閉じさせようとしています。エチオピアの1本の低木の実が、禁止と復活を繰り返しながら国際商品になるまで。為政者が本当に恐れたのは豆ではなく、人が集まる場所のほうでした。
言葉

漢字はどこから来たのか——甲骨文字から新字体・簡体字まで、3000年の歩み

いま私たちが書く漢字は、3000年あまりの変身の、いちばん新しい姿にすぎません。最古の漢字「甲骨文字」は、19世紀末まで「龍骨」という漢方薬として砕かれ飲まれていた。占いの記録から始まり、絵であることをやめ、海を渡ってかなを生み、いまは国ごとに違う形で使われている。漢字の3000年をたどります。
歴史

なぜ時計の針は右回りなのか——日時計と北半球が決めた方向

時計の針が右回りなのは物理法則ではなく、北半球の日時計の影が右へ回るのを機械式時計が受け継いだためです。フィレンツェやプラハには反時計回りの時計も残り、向きが一つの約束事にすぎないことを示しています。
歴史

シルクロードとは何だったのか——「道」ではなくネットワークだった交易路

ラクダの隊商が絹を積んで中国からローマへ——そんな一本道のイメージで語られがちなシルクロード。けれど「シルクロード」という名前自体が19世紀ドイツの命名で、実態は無数の経路が網の目状に絡む交易ネットワークだった。だれも端から端まで歩いていない中継交易、ソグド商人、運ばれたのは絹より思想だったという近年の見直しまで、名前と実態のずれをたどる。
技術

トンネルはどうやって掘るのか——山岳・都市・海底、三つの掘り方

山を貫く新幹線も、都市の地下鉄も、海底をくぐる青函トンネルも、掘り方はまるで違う。爆破した岩盤そのものに支えさせるNATM、フナクイムシをまねて壁を組み立てながら進むシールド、そして陸上で作って海に沈める沈埋工法。三つの発想の違いと、青函トンネルが海底なのに「山岳工法」で掘られた理由をたどる。
歴史

活版印刷はなぜ世界を変えたのか——グーテンベルクと情報革命の構造

活版印刷を発明したのはグーテンベルク、と習う。だが活字を組んで刷る発想は東アジアが数百年早く、金属活字の現存最古は1377年の朝鮮『直指』だった。ではなぜ「世界を変えた」物語の主役はマインツの金細工師なのか。刷る言語の構造、普及の速度、宗教改革という最初のメディア・イベント、そして都市の成長まで、技術が社会を動かした仕組みをたどる。