地球科学

科学

なぜ建物は地震で倒れるのか——共振・液状化・層崩壊のしくみ

同じ地震でも、倒れる建物と、すぐ隣で平気な顔で立っている建物があります。違いは単純な「丈夫さ」ではありません。揺れと建物の周期が一致して増幅される共振、足元の地盤が液体のようになる液状化、力が一つの階に集まって潰れる層崩壊。建物が倒れる三つのしくみを、阪神・淡路大震災の教訓とともにたどります。
科学

夕焼けはなぜ赤いのか——青空をつくる散乱が、赤い夕空も生むわけ

夕焼けの赤と、昼の青空。正反対に見える二つの色は、じつはまったく同じ「レイリー散乱」という一つの現象から生まれます。違うのは、光が大気を通る距離だけ。なぜ青い光がよく散らばるのか、なぜ空は紫でなく青いのか、そして火星の夕焼けがなぜ青いのかまで、空の色の仕組みをたどります。
技術

ダムはどうやって水を「ためる」のか——力をどこへ逃がすかで、形が決まる

ダムは水を「せき止める壁」ではありません。深いところで何トンもの力で押してくる水を、自分の重さ・両岸の岩・広い底のどこへ逃がすか——その答えの違いが、重力式・アーチ式・ロックフィルという形になります。黒部ダムが186メートルを守った経緯まで、ダムの力学をたどります。
科学

月はなぜいつも同じ面を向けているのか——自転を止めたのではなく、公転と足並みをそろえた

月はいつも同じ顔をこちらに見せています。そのせいで「月は自転していないから」と思われがちですが、話は逆で、月はちゃんと自転しています。ただ、その自転の周期が公転の周期とぴたり同じ約27.3日に合わせ込まれている——これが潮汐固定です。潮汐がどうやって月にブレーキをかけたのか、その同じ力で月が今も遠ざかり地球の1日が延びていること、そして実は月面の約59パーセントが見えていることまでをたどります。
科学

台風はなぜ日本に来るのか——高気圧のへりを回って、偏西風に捕まるまで

台風は毎年のように日本へやってきます。地図の上で気ままに蛇行しているように見えますが、その進路は偶然ではありません。貿易風で西へ流され、太平洋高気圧のへりを回り、最後は偏西風に捕まって東へ折れる——三つの風に乗る道筋に、台風自身が北西へにじり寄るクセまで重なって、あの曲線は引かれます。なぜ夏と秋で道が変わり、春や冬には来ないのか。台風の進路を決める気圧配置の構造をたどります。
科学

化石はなぜ残るのか——速く埋もれた骨だけが、石になる

何億年も前の生き物の姿を、私たちは化石で知ります。でも、死んだ生き物のほとんどは化石にならず、跡形もなく消えていきます。残るかどうかを分けるのは、死んだ直後の数日でした。速い埋没で腐敗を止め、地下水の鉱物が骨に染み込んで石に置き換わる——その条件を、化石化の仕組み、軟体部まで残る奇跡の地層ラーゲルシュテッテン、そして化石記録そのものの偏り(タフォノミー)からたどります。
科学

地震の「マグニチュード」と「震度」は何が違うのか——「1」増えると、エネルギーは32倍

地震速報の「マグニチュード」と「震度」を、なんとなく同じものだと思っていないでしょうか。マグニチュードは地震そのものの規模で、一つの地震に一つだけ。震度は各地点の揺れの強さで、場所ごとに変わります。マグニチュードは対数の尺度で、1増えるとエネルギーは約32倍。巨大地震では頭打ちするため、東日本大震災は速報M7.9が最終的にMw9.0へと修正されました。二つの尺度が何を測っているのかを、物理から整理します。
科学

砂漠とは何か——砂ではなく乾きが決める土地と、別物の砂漠化

砂漠を決めるのは砂ではなく「乾き」。年間降水量250mm以下という物差しでは、一面の氷に覆われた南極が世界最大の砂漠になる。砂丘は砂漠の1割ほどで、成因も亜熱帯高圧帯から寒流・雨陰までさまざま。そして砂漠と砂漠化は別物——緑だった土地が痩せていく現象の構造と、サヘルの「緑の長城」までをたどる。