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なぜ人は音楽に感動するのか——次の音を待つ脳と、当たりすぎない快感

音楽は食べられず、身も守りません。それでも鳥肌が立ち、涙が出ます。脳を測ってみると、ドーパミンは音が鳴るより先に出ていました。予測と裏切りのつり合い、快感を消す薬の実験、そして音楽だけ楽しめない人たちの脳から、この不思議な報酬の正体をたどります。
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コンパスはなぜ北を向くのか——磁極ではなく磁力線をたどる針と、ずれ続ける北

方位磁針は北極を指している——そう思っている人は多いはずです。実際には針は磁北極を目がけているのではなく、その場所の磁力線に沿って向きを決めています。地図の北とのずれ、加速しながら動く磁極、そして1088年の中国から始まった針の歴史をたどります。
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なぜ薬に副作用があるのか——効くことと、避けきれない代償

副作用のない薬があればいいのに——誰もが一度は思います。でも副作用の多くは、薬が効くのと同じ仕組みから生まれます。標的が体のあちこちにあること、効く量と危ない量が地続きなこと、人によって代謝が違うこと。エールリヒの「魔法の弾丸」の理想と現実を、選択毒性・用量反応曲線・個人差からたどります。
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なぜ海は青いのか——水が飲み込む赤と、残された青

海が青いのは空を映しているから——そう習った人は多いはずです。ところが海の青の主役は、反射ではなく水そのもの。水は赤い光を吸い込み、青だけを通します。純水がわずかに青い理由から、深さで色が変わるわけ、プランクトンが海を緑に染めるしくみ、そして衛星が海の色から中身を読む話まで、青の出どころをたどります。
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なぜ飛行機雲はできるのか——氷の雲が残るか消えるかを決めるもの

青空に1本、まっすぐ引かれる飛行機雲。煙のように見えて、その正体は氷の粒でできた雲です。エンジンの排気に含まれる水蒸気が、上空の極寒の空気で凍りつく——ここまでは同じでも、すぐ消える雲と、空いっぱいに広がって残る雲に分かれます。その分かれ目を決めているのは飛行機ではなく、空のほうでした。飛行機雲のでき方と、そこから天気まで読める理由をたどります。
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なぜ建物は地震で倒れるのか——共振・液状化・層崩壊のしくみ

同じ地震でも、倒れる建物と、すぐ隣で平気な顔で立っている建物があります。違いは単純な「丈夫さ」ではありません。揺れと建物の周期が一致して増幅される共振、足元の地盤が液体のようになる液状化、力が一つの階に集まって潰れる層崩壊。建物が倒れる三つのしくみを、阪神・淡路大震災の教訓とともにたどります。
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なぜ人は利き手を持つのか——胎内から始まる右利きと、まだ解けない9対1

世界の約9割が右利きで、この偏りはヒトだけのもの。チンパンジーでさえほぼ五分五分です。しかも利き手は生まれる前、胎児が右の親指を吸う段階ですでに表れている。胎児研究・180万年前の化石・遺伝子解析をたどると、「なぜ右に偏るのか」という進化的な問いだけが、いまも答えの出ないまま残っていることが見えてきます。
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なぜ薬は効くのか——受容体という見えない相手と、魔法の弾丸

飲み込んだ錠剤の成分は血液で全身をめぐるのに、薬はちゃんと効くべき場所で働く。なぜか。受容体という相手にくっつくこと、その結合が鍵と鍵穴のように形で決まること、そして自分は傷つけず病気だけを狙う「選択毒性」という難題。エールリヒの魔法の弾丸から、いまだ残る抗がん剤の副作用まで、薬が効く仕組みをたどる。
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なぜ鉄は錆びるのか——表面でひそかに働く小さな電池

鉄の錆は外から付いた汚れではなく、鉄そのものが電子を手放して酸化鉄に変わった姿です。アノードとカソードに分かれた小さな電池が表面で働く電気化学反応として、赤錆と黒錆の違い、トタンやブリキ、船やパイプラインの犠牲防食、そして鉄が鉱石(酸化鉄)へ戻っていく過程までをたどります。
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夕焼けはなぜ赤いのか——青空をつくる散乱が、赤い夕空も生むわけ

夕焼けの赤と、昼の青空。正反対に見える二つの色は、じつはまったく同じ「レイリー散乱」という一つの現象から生まれます。違うのは、光が大気を通る距離だけ。なぜ青い光がよく散らばるのか、なぜ空は紫でなく青いのか、そして火星の夕焼けがなぜ青いのかまで、空の色の仕組みをたどります。