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なぜ建物は地震で倒れるのか——共振・液状化・層崩壊のしくみ

同じ地震でも、倒れる建物と、すぐ隣で平気な顔で立っている建物があります。違いは単純な「丈夫さ」ではありません。揺れと建物の周期が一致して増幅される共振、足元の地盤が液体のようになる液状化、力が一つの階に集まって潰れる層崩壊。建物が倒れる三つのしくみを、阪神・淡路大震災の教訓とともにたどります。
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なぜ人は利き手を持つのか——胎内から始まる右利きと、まだ解けない9対1

世界の約9割が右利きで、この偏りはヒトだけのもの。チンパンジーでさえほぼ五分五分です。しかも利き手は生まれる前、胎児が右の親指を吸う段階ですでに表れている。胎児研究・180万年前の化石・遺伝子解析をたどると、「なぜ右に偏るのか」という進化的な問いだけが、いまも答えの出ないまま残っていることが見えてきます。
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なぜ薬は効くのか——受容体という見えない相手と、魔法の弾丸

飲み込んだ錠剤の成分は血液で全身をめぐるのに、薬はちゃんと効くべき場所で働く。なぜか。受容体という相手にくっつくこと、その結合が鍵と鍵穴のように形で決まること、そして自分は傷つけず病気だけを狙う「選択毒性」という難題。エールリヒの魔法の弾丸から、いまだ残る抗がん剤の副作用まで、薬が効く仕組みをたどる。
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なぜ鉄は錆びるのか——表面でひそかに働く小さな電池

鉄の錆は外から付いた汚れではなく、鉄そのものが電子を手放して酸化鉄に変わった姿です。アノードとカソードに分かれた小さな電池が表面で働く電気化学反応として、赤錆と黒錆の違い、トタンやブリキ、船やパイプラインの犠牲防食、そして鉄が鉱石(酸化鉄)へ戻っていく過程までをたどります。
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夕焼けはなぜ赤いのか——青空をつくる散乱が、赤い夕空も生むわけ

夕焼けの赤と、昼の青空。正反対に見える二つの色は、じつはまったく同じ「レイリー散乱」という一つの現象から生まれます。違うのは、光が大気を通る距離だけ。なぜ青い光がよく散らばるのか、なぜ空は紫でなく青いのか、そして火星の夕焼けがなぜ青いのかまで、空の色の仕組みをたどります。
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色はどこにあるのか——物体でも光でもない、知覚という答え

「色はどこにあるのか」——物体の表面でも、光の中でも、厳密にはない。波長を選別する物体・照明光のスペクトル・観察者の神経処理という三者の関係の中にのみ成立する知覚として、色の正体をたどる。
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飛行機はなぜ空を飛べるのか——「同時に出会う」という誤解と、空気を下へ曲げる翼

翼の上面は遠回りだから空気が速くなる——よく聞くこの説明は、前提のほうが間違っています。上面の空気はむしろ先に後縁へ着く。揚力を「空気を下へ曲げる反作用」と「翼を回る循環」から捉え直し、データを疑って飛んだライト兄弟の話までたどります。
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月はなぜいつも同じ面を向けているのか——自転を止めたのではなく、公転と足並みをそろえた

月はいつも同じ顔をこちらに見せています。そのせいで「月は自転していないから」と思われがちですが、話は逆で、月はちゃんと自転しています。ただ、その自転の周期が公転の周期とぴたり同じ約27.3日に合わせ込まれている——これが潮汐固定です。潮汐がどうやって月にブレーキをかけたのか、その同じ力で月が今も遠ざかり地球の1日が延びていること、そして実は月面の約59パーセントが見えていることまでをたどります。
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台風はなぜ日本に来るのか——高気圧のへりを回って、偏西風に捕まるまで

台風は毎年のように日本へやってきます。地図の上で気ままに蛇行しているように見えますが、その進路は偶然ではありません。貿易風で西へ流され、太平洋高気圧のへりを回り、最後は偏西風に捕まって東へ折れる——三つの風に乗る道筋に、台風自身が北西へにじり寄るクセまで重なって、あの曲線は引かれます。なぜ夏と秋で道が変わり、春や冬には来ないのか。台風の進路を決める気圧配置の構造をたどります。
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化石はなぜ残るのか——速く埋もれた骨だけが、石になる

何億年も前の生き物の姿を、私たちは化石で知ります。でも、死んだ生き物のほとんどは化石にならず、跡形もなく消えていきます。残るかどうかを分けるのは、死んだ直後の数日でした。速い埋没で腐敗を止め、地下水の鉱物が骨に染み込んで石に置き換わる——その条件を、化石化の仕組み、軟体部まで残る奇跡の地層ラーゲルシュテッテン、そして化石記録そのものの偏り(タフォノミー)からたどります。