科学史

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大気圏再突入はなぜ難しいのか——摩擦で燃えるのでも、浅い角度で弾むのでもなく

宇宙から帰る船が炎をまとう理由は、空気との摩擦ではなく、機体前方で圧縮された空気の熱にある。「角度が浅いと弾かれる」もまた誤解だ。失う運動エネルギーの99%は経路の空気を熱し、機体が浴びるのは1%ほど。鈍頭・アブレーター・揚力——再突入の物理と工夫をたどる。
科学

燃料電池と電池は何が違うのか——「ためる」電池と、燃料を「もらい続ける」発電装置

「燃料電池」は充電できない電池で、燃やさない燃料を使う。名前が二重に奇妙なこの装置の正体は、反応する物質を中に抱えた普通の電池と違い、燃料を外から受け取り続ける「開いた発電装置」にある。1839年に弁護士が見つけ、アポロでは飛行士が副産物の水を飲み、いまは家庭のエネファームで湯まで沸かしている。
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音速の壁はなぜ「壁」だったのか——たとえが生んだ言葉と、遷音速の三つの難所

「音速の壁」は実在の壁ではなく、ある空力学者の言いまわしが新聞で誇張されて広まった言葉だった。けれど遷音速では衝撃波で抵抗が急増し、舵が効かなくなる——挑んだパイロットは実際に命を落としている。1947年にX-1がそれを越えた経緯と、強力なエンジンより地味な「動く尾翼」が鍵だった話をたどる。